今日、あるお客様よりこんな問合せがありました。
「ハンマードリルについているチャックからビットが抜けないんだけれども、どうしたらいいか?」
現物を見ていない私は、「手前に引っ張った状態で左右どちらかにまわしてみて下さい。それで、ビットの部分をペンチみたいなもので引っこ抜いてみて下さい。」と回答しました。
これで、抜けない場合チャックの部分を分解し取り外さないといけないものだが、どうやらうまくいったみたいで、その後連絡はなかったです。(もしかしたら抜けないであきらめたのかもと思いちょっと心配しています・・・。)
もちろんハンマードリルは、ビットがすぐに抜けるような構造はしていませんし、専用機具を使用して抜くものではないです。
その微妙なバランスの元、生成されているすばらしい工具です。
しかし、ドリルビットが折れた場合(特に根元で)は、このような事態が起きる事もあります。
電動工具とダイヤモンド工具満載のプロショップ通販サイト
"FASCON(ファスコン)"
http://fascon.ocnk.net/
2009年05月25日
2009年02月05日
●アンカーと母材
日本建築学会では、アンカーボルトの種類を以下のとおり分類しています。
■先付け工法
□頭付きアンカーボルト
□鉄筋アンカーボルト
□基礎ボルト
■後打ち工法
□メカニカルアンカーボルト
また、1984年に「日本コンクリートアンカー工業協会」として設立され、現在では国土交通省の外郭のひとつでもある「日本建築あと施工アンカー協会」では、「あと施工アンカー」に呼称を統一して分類し体系付けています。
詳しくは、こちらを参照ください。
ご覧頂いたように「あと施工アンカー」は次のとおり分類されています。
□金属系アンカー
□接着系アンカー
□その他のアンカー類
ところで、何故アンカーは固着するかご存知ですか?
アンカーは次の三つの原理により、母材に固着します。
「摩擦(フリクション)」
〜引き抜き力は、アンカーと母材孔壁の摩擦により母材へ伝えられ、母材内部での拡張力となり保持します。
「くさび効果(支圧)」
〜固着力は、母材の裏側で引抜力に対応する形で働きます。
「接着」
〜接着力は合成樹脂モルタルの接着力により、ボルトと母材孔壁の間に生じます。
そして、
「三原理の組合せ」
〜母材と取付物の状況によって、上記の三原理を組み合わせて活用することで、より一層安全性が高まります。
また、アンカーの選択は、以下の要素などで決まります。
(1)母材の特性
(2)取付物の形状
(3)重量・荷重(動荷重か静荷重か)と必要とする引抜耐力
(4)後日の撤去の必要性
(5)環境(屋内・屋外・塩害の有無・水中など)
今回は、(1)の母材の特性についてお話ししましょう。
まず、母材には以下の種類があります。
・コンクリート(現場打ち・プリキャースト=PC)
・気泡コンクリート(ALC)
・ブロック・レンガ など 他
「コンクリート(現場打ち=生コン)」
現場打ちコンクリートは、打設後、一週間程度でのアンカー打ちは不適切です。コンクリートは、日を追うごとに乾燥と共にやせてきますし、その圧縮強度も増してきます。
あと施工アンカーの場合、コンクリートの圧縮強度は、最低21N/mm2(210kgf/cm2)以上あることを前提としています。一般に、通常の現場打ちコンクリートは、打設後、約4週間で、所定の強度がある状態になると考えられています。
「年月の経過したコンクリート」
改修現場などでよく見られる20年位経過したコンクリートの場合は、その圧縮強度は、高くなっており40N/mm2以上あるのが通常です。
「プレキャストコンクリート(工場生産されたもの)」
工場出荷時点で、必要な乾燥時間を経過させているので、かなりの圧縮強度があります。その仕様にもよりますが、通常20から30N/mm2は期待できます。
最近の建築建設現場では、ドライ工法の採用により、PCコンクリートが多用されており、逆に生コンミキサー車をあまり見かけなくなってきています。それだけ、コンクリートの品質の均一化が進んでいるとも言えます。
メタルのあと施工アンカーは、コンクリートの孔壁との間での力学的な関係で、その引抜耐力を維持するように考えられているので、コンクリートの硬さ(圧縮強度)が大きくその性能に影響します。
「気泡コンクリート(ALC)」
ALCはAutoclaved Lightweight aerated Concrete(高温高圧蒸気養生した軽量気泡コンクリート)の頭文字を取った名前です。現在は、外壁のみならず、色んなところに利用されている建材です。耐火性・防火性・耐震性・耐熱性・断熱性・遮音性に優れ、且つ軽量なことが利点ですが、これを母材に何かを取り付ける場合には、母材そのものが柔らかいことや、アルカリ性であることを考慮した部材の選択や工法が必要となります。
「ブロック」
ブロックは、中空のコンクリート製品であり、その耐力は余り大きくないことを考慮した工法が必要です。
「レンガ」
レンガは通常、モルタルで接着して、壁などに利用されるので、レンガそのものの耐力に依存した部材の取付をするという概念は、成り立ちません。壁面や床面全体を考慮した工法が必要です。
次回は、これらの部材への「取付物の取付」について記します 。
■先付け工法
□頭付きアンカーボルト
□鉄筋アンカーボルト
□基礎ボルト
■後打ち工法
□メカニカルアンカーボルト
また、1984年に「日本コンクリートアンカー工業協会」として設立され、現在では国土交通省の外郭のひとつでもある「日本建築あと施工アンカー協会」では、「あと施工アンカー」に呼称を統一して分類し体系付けています。
詳しくは、こちらを参照ください。
ご覧頂いたように「あと施工アンカー」は次のとおり分類されています。
□金属系アンカー
□接着系アンカー
□その他のアンカー類
ところで、何故アンカーは固着するかご存知ですか?
アンカーは次の三つの原理により、母材に固着します。
「摩擦(フリクション)」
〜引き抜き力は、アンカーと母材孔壁の摩擦により母材へ伝えられ、母材内部での拡張力となり保持します。
「くさび効果(支圧)」
〜固着力は、母材の裏側で引抜力に対応する形で働きます。
「接着」
〜接着力は合成樹脂モルタルの接着力により、ボルトと母材孔壁の間に生じます。
そして、
「三原理の組合せ」
〜母材と取付物の状況によって、上記の三原理を組み合わせて活用することで、より一層安全性が高まります。
また、アンカーの選択は、以下の要素などで決まります。
(1)母材の特性
(2)取付物の形状
(3)重量・荷重(動荷重か静荷重か)と必要とする引抜耐力
(4)後日の撤去の必要性
(5)環境(屋内・屋外・塩害の有無・水中など)
今回は、(1)の母材の特性についてお話ししましょう。
まず、母材には以下の種類があります。
・コンクリート(現場打ち・プリキャースト=PC)
・気泡コンクリート(ALC)
・ブロック・レンガ など 他
「コンクリート(現場打ち=生コン)」
現場打ちコンクリートは、打設後、一週間程度でのアンカー打ちは不適切です。コンクリートは、日を追うごとに乾燥と共にやせてきますし、その圧縮強度も増してきます。
あと施工アンカーの場合、コンクリートの圧縮強度は、最低21N/mm2(210kgf/cm2)以上あることを前提としています。一般に、通常の現場打ちコンクリートは、打設後、約4週間で、所定の強度がある状態になると考えられています。
「年月の経過したコンクリート」
改修現場などでよく見られる20年位経過したコンクリートの場合は、その圧縮強度は、高くなっており40N/mm2以上あるのが通常です。
「プレキャストコンクリート(工場生産されたもの)」
工場出荷時点で、必要な乾燥時間を経過させているので、かなりの圧縮強度があります。その仕様にもよりますが、通常20から30N/mm2は期待できます。
最近の建築建設現場では、ドライ工法の採用により、PCコンクリートが多用されており、逆に生コンミキサー車をあまり見かけなくなってきています。それだけ、コンクリートの品質の均一化が進んでいるとも言えます。
メタルのあと施工アンカーは、コンクリートの孔壁との間での力学的な関係で、その引抜耐力を維持するように考えられているので、コンクリートの硬さ(圧縮強度)が大きくその性能に影響します。
「気泡コンクリート(ALC)」
ALCはAutoclaved Lightweight aerated Concrete(高温高圧蒸気養生した軽量気泡コンクリート)の頭文字を取った名前です。現在は、外壁のみならず、色んなところに利用されている建材です。耐火性・防火性・耐震性・耐熱性・断熱性・遮音性に優れ、且つ軽量なことが利点ですが、これを母材に何かを取り付ける場合には、母材そのものが柔らかいことや、アルカリ性であることを考慮した部材の選択や工法が必要となります。
「ブロック」
ブロックは、中空のコンクリート製品であり、その耐力は余り大きくないことを考慮した工法が必要です。
「レンガ」
レンガは通常、モルタルで接着して、壁などに利用されるので、レンガそのものの耐力に依存した部材の取付をするという概念は、成り立ちません。壁面や床面全体を考慮した工法が必要です。
次回は、これらの部材への「取付物の取付」について記します 。
2009年01月15日
●メタルアンカーとビットと耐力について
ビットをハンマードリルのチャックに取り付けるためのシャンク部分は、実は日本でのみ見受けられるものです。
「六角軸」は1タイプだけですが、国際標準のチャックに取り付けるものには、軸径の太さに応じて、「SDSプラス」「SDS-Max」の2タイプが日本に導入されています(ドイツではその中間サイズが規定されて3タイプあります)。いずれも元はドイツのボッシュ社の特許でしたが、今ではすでに期限切れになり、日本でも各社で作られています。
ビットの刃先部分については、さまざまな形のものが出回っていますが、大事な事は穴径のサイズを正確かつ丈夫に永く維持するための工夫です。同時に、アンカー施工の際の体力確保のために必要な真円をあけられるための工夫も欠かせません。
そういう点では、「SDSプラス」用の最新のものでは、ヒルティの「C3X」・ボッシュの「S4」・ミヤナガの「デルタゴン」が、最も工夫されたものだと言えます。これらのビットは、位置決めのし易さ・刃先の丈夫さ・真円に近い穴あけの点で、大変優れています。
また、ビットのスパイラル状の切粉の排出を促す部分では、「スパイラル」・「ヘリカル」・「ステップヘリカル」の名称で区別された溝の切り方があります。「ステップヘリカル」が最も切粉の排出が効率的だと言われています。
今回の本題であるメタルアンカーとその耐力については、真円に近い穴あけが出来るがどうかでビットの性能と密接に関係します。何故なら、メタルアンカーは、コンクリート壁との間での摩擦係数によって、その引き抜き耐力を維持しているからです。
日本で最も普及している「心棒打ち込み式」(通称オールアンカー)と、「内部コーン打ち込み式」(通称ヒルティアンカー)を思い浮かべてみてください。いずれも、打ち込み前の状態では、アンカーの太さは、上下どちらも同じですが、打ち込み後の状態では、穴底のアンカーの下部部分が心棒やコーンの打ち込みにより広がり、穴壁に密着するか又は食い込んでいます。
つまり、アンカー外部とコンクリートの穴壁の間で、その摩擦により耐力を維持する仕組みになっています。従って、アンカーが丸い筒状ですから、コンクリートに開いた穴のほうも真円の筒状であれば、平均してお互いに密着し、その接着面積は最大となり、耐力も最大となるというわけです。ということは、アンカーも確実に平均して必要量の拡張がなされる必要があり、それが可能な仕組みのアンカーが優れていることになります。
ただし、例に挙げた雄ネジの「心棒打ち込み式」アンカーは、日本でのみ普及しているもので、作業性は優れていますが、同時に欠点も多いものです。
例えば、打ち込み作業の際に構造上の理由もあって、心棒が真っ直ぐスムーズに入っていかず、途中で折れ曲がりやすいことです。必要量の打ち込みがなされなければ、アンカーの拡張は確保されず、引き抜き耐力も確保されません。施工現場では、心棒が充分に打ち込まれていないものを多く見かけます。他方、利点は心棒を引き抜くことで、アンカーの撤去が行い易いことです。
又、雌ネジの「内部コーン打ち込み式」は、内部コーンの打ち込みが、確実に行えることで、より確実に施工できます。似たものに雌ネジの「外部コーン打ち込み式」があり、かなり一般的に多用されていますが、その引き抜き耐力の確保は、実はかなり困難です。なぜなら、充分なアンカーの拡張を確保するためには、外部コーンが確実に必要量アンカーに食い込んでいく必要がありますが、これが確認できないからです。
コンクリート母材は、グリや空洞部分がかなり多く発生します。従って、アンカー長と同じ深さに穿孔した穴の底部に空洞があった場合や、穴あけの深さが必要以上に深かった場合には、外からアンカーをコンクリート面まで打ち込んだとしても、外部コーンがアンカー本体に充分に食い込んでいかず、しかも施工後にその確認も出来ません。
選択する工法によっては、十分な注意が必要であることを忘れてはいけませんね。
「六角軸」は1タイプだけですが、国際標準のチャックに取り付けるものには、軸径の太さに応じて、「SDSプラス」「SDS-Max」の2タイプが日本に導入されています(ドイツではその中間サイズが規定されて3タイプあります)。いずれも元はドイツのボッシュ社の特許でしたが、今ではすでに期限切れになり、日本でも各社で作られています。
ビットの刃先部分については、さまざまな形のものが出回っていますが、大事な事は穴径のサイズを正確かつ丈夫に永く維持するための工夫です。同時に、アンカー施工の際の体力確保のために必要な真円をあけられるための工夫も欠かせません。
そういう点では、「SDSプラス」用の最新のものでは、ヒルティの「C3X」・ボッシュの「S4」・ミヤナガの「デルタゴン」が、最も工夫されたものだと言えます。これらのビットは、位置決めのし易さ・刃先の丈夫さ・真円に近い穴あけの点で、大変優れています。
また、ビットのスパイラル状の切粉の排出を促す部分では、「スパイラル」・「ヘリカル」・「ステップヘリカル」の名称で区別された溝の切り方があります。「ステップヘリカル」が最も切粉の排出が効率的だと言われています。
今回の本題であるメタルアンカーとその耐力については、真円に近い穴あけが出来るがどうかでビットの性能と密接に関係します。何故なら、メタルアンカーは、コンクリート壁との間での摩擦係数によって、その引き抜き耐力を維持しているからです。
日本で最も普及している「心棒打ち込み式」(通称オールアンカー)と、「内部コーン打ち込み式」(通称ヒルティアンカー)を思い浮かべてみてください。いずれも、打ち込み前の状態では、アンカーの太さは、上下どちらも同じですが、打ち込み後の状態では、穴底のアンカーの下部部分が心棒やコーンの打ち込みにより広がり、穴壁に密着するか又は食い込んでいます。
つまり、アンカー外部とコンクリートの穴壁の間で、その摩擦により耐力を維持する仕組みになっています。従って、アンカーが丸い筒状ですから、コンクリートに開いた穴のほうも真円の筒状であれば、平均してお互いに密着し、その接着面積は最大となり、耐力も最大となるというわけです。ということは、アンカーも確実に平均して必要量の拡張がなされる必要があり、それが可能な仕組みのアンカーが優れていることになります。
ただし、例に挙げた雄ネジの「心棒打ち込み式」アンカーは、日本でのみ普及しているもので、作業性は優れていますが、同時に欠点も多いものです。
例えば、打ち込み作業の際に構造上の理由もあって、心棒が真っ直ぐスムーズに入っていかず、途中で折れ曲がりやすいことです。必要量の打ち込みがなされなければ、アンカーの拡張は確保されず、引き抜き耐力も確保されません。施工現場では、心棒が充分に打ち込まれていないものを多く見かけます。他方、利点は心棒を引き抜くことで、アンカーの撤去が行い易いことです。
又、雌ネジの「内部コーン打ち込み式」は、内部コーンの打ち込みが、確実に行えることで、より確実に施工できます。似たものに雌ネジの「外部コーン打ち込み式」があり、かなり一般的に多用されていますが、その引き抜き耐力の確保は、実はかなり困難です。なぜなら、充分なアンカーの拡張を確保するためには、外部コーンが確実に必要量アンカーに食い込んでいく必要がありますが、これが確認できないからです。
コンクリート母材は、グリや空洞部分がかなり多く発生します。従って、アンカー長と同じ深さに穿孔した穴の底部に空洞があった場合や、穴あけの深さが必要以上に深かった場合には、外からアンカーをコンクリート面まで打ち込んだとしても、外部コーンがアンカー本体に充分に食い込んでいかず、しかも施工後にその確認も出来ません。
選択する工法によっては、十分な注意が必要であることを忘れてはいけませんね。
2009年01月09日
●ハンマードリルビットと母材
コンクリートに穴あけをするためのビットは、振動ドリル全盛の時代には、「コンクリートビット」と称するものがありました。ドリルチャックに固定するシャンク部分が、ストレートの丸棒で、これをチャックで締め付ける形でした。
これは、木工作業の歴史から母材の表面を削るという考え方に基づいていますが、コンクリートの母材に穴をあけるには不適切でした。なぜなら、コンクリートに穴あけするには、削るのではなく、細かく叩いて砕くのが、最も効率的だからです。
その作業に適した工具として、エレクトロニューマティック機構(エヤーピストン)をもつハンマードリルの形式を、初めて開発したのがドイツの「ボッシュ」社です。それと相前後して、リヒテンシュタインの「ヒルティ」社が実用化し、製品を世に出したのが始まりです。
砕いたコンクリートの粉片(切り粉)をいかに効率的に穴の外に出せるかによって、穴あけのスピードが左右されます。ですから、各社ともハンマードリルのビットには、「超硬チップついた刃先」と、「スパイラル状に溝を切った部分」と、ドリルに確実に固定されながらスムーズに上下する「シャンク」部分に工夫を凝らしています。
そして、ビットシャンクの太さとハンマードリルの規格によって、「SDSプラス」「SDS−Max」が国際規格となっており、「六角軸」は今では日本市場でしか見られません。
超硬チップが容易に外れない蝋付けの技術と、スパイラル状のボディ部分が容易には痩せない鋼材が求められます。
現存する各社のビットのうち上質のものは、1000本以上の穴あけをしても、サイズ減りもボディの痩せもおきませんが、廉価なもの中には200本がやっとという製品もあります。
ところで、ボディのスパイラル状の部分に穴あけの目安として、ビニールテープを巻いている施工者をよく見かけますが、これでは切り粉を排出する道が塞がれてしまい、新たなコンクリート面を砕くことができなくなってしまいます。結果として著しくスピードダウンしてしまいますので、お勧めできません。
また、アンカー施工のために穴あけをする場合、アンカーの引き抜き耐力を確保するには、可能な限り真円の穴あけが必要です。そのためには、良質のビットを選ぶだけでなく、ハンマードリルのチャックのブレが最小になるよう、空回しでブレを目視で確認するなど、定期的な調整が望ましいです。
ちょっとしたことですが、効率よく作業するためにはこうした些細なことに注意したいですね。
これは、木工作業の歴史から母材の表面を削るという考え方に基づいていますが、コンクリートの母材に穴をあけるには不適切でした。なぜなら、コンクリートに穴あけするには、削るのではなく、細かく叩いて砕くのが、最も効率的だからです。
その作業に適した工具として、エレクトロニューマティック機構(エヤーピストン)をもつハンマードリルの形式を、初めて開発したのがドイツの「ボッシュ」社です。それと相前後して、リヒテンシュタインの「ヒルティ」社が実用化し、製品を世に出したのが始まりです。
砕いたコンクリートの粉片(切り粉)をいかに効率的に穴の外に出せるかによって、穴あけのスピードが左右されます。ですから、各社ともハンマードリルのビットには、「超硬チップついた刃先」と、「スパイラル状に溝を切った部分」と、ドリルに確実に固定されながらスムーズに上下する「シャンク」部分に工夫を凝らしています。
そして、ビットシャンクの太さとハンマードリルの規格によって、「SDSプラス」「SDS−Max」が国際規格となっており、「六角軸」は今では日本市場でしか見られません。
超硬チップが容易に外れない蝋付けの技術と、スパイラル状のボディ部分が容易には痩せない鋼材が求められます。
現存する各社のビットのうち上質のものは、1000本以上の穴あけをしても、サイズ減りもボディの痩せもおきませんが、廉価なもの中には200本がやっとという製品もあります。
ところで、ボディのスパイラル状の部分に穴あけの目安として、ビニールテープを巻いている施工者をよく見かけますが、これでは切り粉を排出する道が塞がれてしまい、新たなコンクリート面を砕くことができなくなってしまいます。結果として著しくスピードダウンしてしまいますので、お勧めできません。
また、アンカー施工のために穴あけをする場合、アンカーの引き抜き耐力を確保するには、可能な限り真円の穴あけが必要です。そのためには、良質のビットを選ぶだけでなく、ハンマードリルのチャックのブレが最小になるよう、空回しでブレを目視で確認するなど、定期的な調整が望ましいです。
ちょっとしたことですが、効率よく作業するためにはこうした些細なことに注意したいですね。



